ゼイリブ

ゼイリブ [DVD]
監督:ジョン・カーペンター
出演: ロディ・パイパー, キース・デヴィッド
製作:1988年

極秘に進行しているエイリアンの地球侵略。そのエイリアンの正体を判別できる特殊なサングラスを手に入れた主人公は、抵抗運動に参加する事になるが……。サブリミナルによる姿なき侵略を描いたJ・カーペンターのSFスリラー。

物語序盤からロディ・パイパー演じる主人公ナダがサングラスを手に入れるまでの数十分間、全くと言っていいほどSF色がなかったので「あれ・・確かジャンルはSFだった気が・・・」と不安になりました。反面、サングラスを手に入れてからは一気に古き良きSF展開が繰り広げられます。サングラスを通して見る世界はナダが違和感を感じていた社会の真の姿が露見したものでした。宇宙人に支配された地球という構想はベタもベタですが(そしてその宇宙人のビジュアルもまたベタベタ)、考えても見て下さい。この映画DVDの発売日こそ2003年となってますが、製作されたのは偶然にも私の生まれ年と同じ1988年なんですよ。今からおよそ20年前の映画で、現在私たちが直面している問題、経済格差や環境問題を取り上げているのは驚きじゃないですか?それとも20年たっても社会の負の部分が在り続けていることに落胆すべきか・・・
宇宙人の技術を駆使した施設やガジェットがまたB級臭くて、でもそれがいい。宇宙人に飼い慣らされた地球人の男が終盤繰り返し「原理は分からんがね」と言っているのには笑いましたが(笑)この映画の売りにアクションシーンがあるということで期待していたのですが、うーん…。いきなり銃ぶっ放すわ、窓から突き落とすわ、延々と殴り合うわで正直微妙でした。特にナダがサングラスをフランクにかけさせて現実を見せようとするシーンで、なぜ説得ではなくて殴り合いなんだ?と…しかも殴り合いにかなりの時間を割いていたので余計に冗長に感じました。調べてみたらロディ・パイパーはプロレスラーだったんですね。つまりあのシーンは見せ場だったのかと。それを知ってたらもう少し楽しめたかも。あとヒロインのホリーは最悪です。いや褒め言葉ですが。それにしても、どうして昔のSF物には悪女とヒステリー女が多いんですかね?