神様のパズル


著者:機本 伸司
出版社:ハルキ文庫
発売:2006
★★★★☆

留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが…

確か高校生の時にハードカバーの方を読んだから、この文庫版で「神様のパズル」を読むのは二度目ですね。大筋しか覚えていなかったせいか、久し振りに読んでもかなり楽しめました。それだけこの作品に魅力が満載ということですかね。半年くらい文庫版は買うだけ買って積んでいたのですが、そもそもなんでハードカバーで持っているのにこっちも買ったのだろう・・・?そう思って色々と考えてみておそらく表紙買いしたのだろうという結論に至りました。

ほら、ハードカバー版ではいかにも小娘といった感じだったのに、文庫版ではやたら扇情的に仕上がっているじゃないですか!具体的には服装とか太ももとか胸とか胸とか!!綿さんがまるで変わってないのがまた笑いを誘いますね。沙羅華嬢の魅力がアップした表紙に誘われて買ってしまったと思われる自分が恥ずかしい・・・^^;
内容は学生青春SFですかね。主人公の美少女天才サイエンティスト穂瑞沙羅華(ほみずさらか)と理系なのにそっち方面にはてんで疎い綿貫基一が「宇宙は人間に作れるのか?」というある老人のアルティメットクエスチョンに応えるべく四苦八苦する物語です。宇宙は無から出来たという。無ならこの宇宙のいたるところにある。ならば無を使って人間が宇宙を作ることもできるのではないか、穂瑞沙羅華はシュミレーションによってこの疑問を解決しようとします。天才ゆえの周囲の期待と18歳の少女という現実とのはざまに立ちつくす穂瑞沙羅華の苦悩、そして成長もこの作品の魅力です。私は天才美少女よりも平平凡凡な綿さんの方に大分共感してしまいましたが。宇宙とは何か?自分とは何か?物理の視点で自分の存在を定義しようとする者が最後に得る答えとは一体・・・SF要素とヒューマンドラマが見事にミックスされた良い作品です。何やら映画化もするらしいのでぜひ一読!
ちなみにこの沙羅華嬢がまるで男のような口調で疑問を解決していくのですが、その姿はまるでかの有名な探偵のよう。穂瑞沙羅華・・ホミズサラカ・・・サラカホミズ・・・シャーロックホームズ・・・なるほど!そして彼女の綿貫基一の呼び方が綿さんでワトソンとかけているとのことです。全然気づかなかったです。

2008年6月公開らしいのですが近くの映画館でやってるのかしら・・・しかし公式サイトを見るとどうにも不安になってくるのですが・・・ロックてあんた^^;なぜか俺様のパズルに見えたのはここだけの話。


「神様のパズル」公式サイト
http://www.kami-puzzle.com/