fate/zero 「第四次聖杯戦争秘話」


著者:虚淵玄
出版社:TYPE-MOON BOOKS
発売日:2006
★★★★★

聖杯戦争――それは奇跡を叶える『聖杯』の力を追い求め、7人の魔術師が7人の英霊を召喚して競い合う争奪戦。三度(みたび)、決着を先送りにされたその闘争に、今また4度目の火蓋が切って落とされる。
<中略>
Fate/stay nightにおいて断片的に語られるのみだった、10年前の第四次聖杯戦争。士郎の養父が、凛の父が、そして若き日の言峰綺礼が繰り広げた戦いの真相が、いま明らかになる……

勢いのまま一日で読了。
え、これ熱すぎないですか?しょっぱなから大激突と言うに相応しい激闘が繰り広げられて、ページをめくる腕が止まらず、あれよあれよと言う間に一巻を読み終えてしまいました。
fateをプレイ済みということもあって聖杯戦争の基本ルール(と暗黙の了解)についてはある程度の理解はありました。だからこそこの怒涛の展開に驚かされたわけですが、第一巻という、イントロとしての役割と考えればキャストのほとんどが勢ぞろいというこの展開は効果的だったんじゃないかと思います。というかあとがきで奈須氏が言っているように、続巻では一巻を上回る熾烈な戦闘が繰り広げられるそうですから、あえて最初から強力且つ強大、加えて強烈なキャラクターを提示する意味は、寝食忘れて次巻に手を付けかねない私が今胸に抱えているこの興奮にこそあるのかもしれません。いやほんとこれ豪華すぎるキャストのサウンドドラマも良いですが、アニメ化あるいはゲーム化を検討してもいいんじゃないですかね。
fateのキャラもいい奴揃いなんですが、zeroの方が猛者というに相応しいキャラが多い気がします。特に私が気に行ったのはへたれウェイバーのサーヴァント、征服王イスカンダルですかね。その巨躯に比例した豪傑を持ち合わせた彼には「気持ちがいい」という賛美が適しているのではないでしょうか。今回一番盛り上がるステージを仕立て上げたのも彼の豪傑ぶりがあればこそですからね。ウェイバー君のへたれっぷりと合わせて、コンビとしても一番キャラが立っているように思えました。これに大塚さんの渋キメボイスが・・・ゴクリ。
あとは衛宮切嗣についての描写が、当たり前ではありますがふんだんに盛り込まれてました。fateでは本当に断片的にしか分からなかった彼の人間像が徐々に明らかになってきます。イリヤと接する時の父としての衛宮切嗣。死地に赴く冷徹な暗殺者としての衛宮切嗣。このzeroという作品は第四次聖杯戦争を描いた作品であるとともに、衛宮切嗣という一人の人間に迫る物語でもあります。どうしてもfateより激しさ8割増しの戦闘シーンにばかり熱を上げてしまいますが、こちらも要チェックですね。ああ二巻が楽しみだ。

ニコニコ動画にもPVが上がってました。ヤヴァイ・・・本当に映像化して欲しいかも・・・。
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