ナイロビの蜂

ナイロビの蜂 [DVD]
監督:フェルナンド・メイレレス
出演:レイフ・ファインズ,レイチェル・ワイズ
公開:2005
★★★★★

妻の突然の死…。その裏には多国籍企業による、巨大な陰謀が隠されていた! レイチェル・ワイズがアカデミー最優秀助演女優賞を受賞した他、世界各国で絶賛されたサスペンス・アクションの傑作! 情熱的な妻テッサと外交官の夫ジャスティンは、夫の駐在先のナイロビで暮らしていた。しかしある日突然、ジャスティンの元にテッサの死の知らせが届く。警察は単なる殺人事件と処理するが、疑念に駆られたジャスティンは妻の死の真相を調べ始める。そしてアフリカで横行する薬物の人体実験、官僚と大手製薬会社の癒着を知る。テッサの思いを引継ぐジャスティン。やがて彼がたどり着いたのは多国籍企業による世界的陰謀だった! 妻への愛と自らの信念を守るため、ジャスティンの命を賭けた孤独な戦いが始まった!

日本で公開した時に気になっていた作品。陰謀渦巻く複雑なストーリーかとおもいきや、案外に解りやすい話でした。一応は勧善懲悪になりそうな結びになっていたのでよかった。
レイチェル・ワイズはこの前みたコンスタンティンにも出てましたね。男の後ろで守られているのではなく、自ら立ちはだかる障壁に立ち向かう、そんな勝気な女性の役がよく似合っていると思います。今回演じたテッサもそんな感じの女性です。物語は彼女の訃報から始りますが、巨悪を打ち倒すべく動きだす夫のジャスティンやその多くはない仲間たちには彼女の強い意志が宿っているように感じました。
しかしこれ、ほんとうにありそうな話ですよね。巨大な製薬会社の陰謀はともかくとして、少なくともナイロビの苦境を描いたこの映画には、アフリカという国が置かれている現状が克明に映し出されているはずです。作中で二度、テッサとジャスティンが一回ずつナイロビの特定少数の住民を助けようとしますが、それは実現されません。なぜなら、他にも救いを求めている幾千、幾万もの人々を差し置いて特定の誰かを助けようとすることは、それこそ現実から目を背けていることになるからです。根本的な解決にならない救いは果たして善なのか?決して悪ではないはずですが、根っからの博愛主義者ではない人にとっては疑問を抱く余地もあるでしょう。私たち日本人が、この比較的平和な日本で「困っている人には親切にする」のと、アフリカで彼らを救おうとすることは全くレベルの違うことなんだろうと思います。やらない善よりやる偽善とは言いますが、本当に人が人を救うというのは難しいものですね。「社会派」ということで、ドキュメンタリーとしても一つ価値のある作品であったと思います。もちろんミステリやサスペンスとしても一級でした。
まったく関係のない話。なぜか主演がハリソン・フォードだと思い込んでました。パッケの顔が微妙に似てませんか?彼だと襲って来る殺し屋もギリギリのところで打ち倒し窮地を脱する、そんな社会派ミステリーアクションになってしまう気がするのは、最近見たのがスターウォーズインディージョーンズだからかな^^;