ローズマリーの赤ちゃん

監督: ロマン・ポランスキー
出演:ミア・ファロー
公開:1968
★★★★★
古さを感じさせない良質なホラー。ショッキングなシーンはほとんど無く、どこか陰鬱なアパートとそこに暮らす住人たちに対してヒロインのローズマリーが感じる気持ちの悪さとその答えがこの映画の全てだと思います。至る所に伏線がはられているため、途中で結末も最悪な形で予想が出来てしまうのですが、そこは狙ってやってるんでしょうかね。予想できるからこそ、それを否定したくなり、最後には衝撃ではなく落胆することになる。そんな後味の悪さがホラーとしては最良な締めになってました。
ただどこまで信じていいものか、最後まで観ても微妙に確信はもてませんね。ローズマリーの想像がただしいのなら、明らかに超常的な現象が起きていることになってしまいます。別段真実をぼやかしているような演出がされているようにも思えないのですが、なんとなーく結局ローズマリーの妄想だったんじゃないかという気もしないでもなく、それがまた気持ち悪い。ゆったりした展開のわりには時間がたつのを忘れさせてくれるいい映画でした。
それとローズマリー役のミア・ファローがとっても美人。ちょっと前に昔風のポップなファッションが流行りましたから、それがちょうどローズマリーの髪形や服装と一致して、あまり古さを感じさせません。だから作中カレンダーで年が映るまで、これが40年も前の作品だと分かりませんでしたよ＾＾；当人はこの作品以降活躍の場を広げていったそうなんですが、この美貌と演技力なら納得。時代に左右されない「美人」っているもんですね。女優は演技力こそ当然必要とされますが、やっぱり見目麗しいにこしたことはありません。ちょっとした濡れ場やセクシーorキュートなカットも沢山ありますから、ミア・ファロー目当てで観るのも悪くないかも。