宇宙の戦士、フォーカスリーディング

宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))
著者:ロバート・A・ハインライン
出版社:ハヤカワ文庫
発売:1979
★★☆☆☆
ひどく退屈な本でした。ただ、普通に楽しんで読むSFを娯楽書だとするならば、これはその類のSFではないです。ハインラインのパトリオティックな信念を、SFと軍隊という設定を土台に説いていく、むしろ哲学書のような本でした。故に退屈。
ファシズムともとれる考えがこの本にはこめられている。国のために戦うことを一義とする考えは今では非難の的となるであろう。もしそういった考えに極度に過敏になるという方がこの本を読めば、その評価は限りなく低いものになることは間違いない。
私は直接戦争を体験した世代ではないため、頭では戦争は駄目だと思っていても、本当のところではよくわかっていないと思う。だから宇宙の戦士を読んでも拒絶反応が起きるようなことはなかったが、それにしてもハインラインの主張があまりにもダイレクトすぎて辟易した。夏への扉で夢に溢れるSFの世界を描いてくれたその人とは思えない様な偏向的な主張である。
むしろ面白かったのは、訳者後記にある、このハインラインの哲学書「宇宙の戦士」の是非をめぐる大論争だった。ハインラインが優れたSF作家であるが故に、このような前時代的な思考を意外なほど頑なに持ち合わせていたことが、SFファンにとっていかに衝撃的だったがよくわかる。宇宙の戦士の話はそっちのけで、ファシズムの如何について語っているのがまた面白いといか勉強になる。まぁ娯楽小説というわけではないので、楽しめるかどうかといったところで★二つ。

フォーカス・リーディング 「1冊10分」のスピードで、10倍の効果を出す いいとこどり読書術
著者寺田 昌嗣
出版:PHP研究所
発売:2008/08/01
★★★★☆
性懲りもなく速読術なるものを得ようと購入し読了。
本書は理論編、鍛錬編、実戦編の三部構成となっています。ただ理論編は極論なうえに抽象的すぎてついていけませんでした。そこでもうダレはじめて、続く鍛錬編も速読マニュアル本にありがちな目のトレーニングだったので予定通り挫折。駄目だやる気がなさすぎるな自分。この二部までのところは巷間出回っているマニュアル本とそう大差はないように思えました。
大三部、実戦編は自分にとってはすこし実のある話でした。実戦、ということで、いざ読書をする時の心構えやテクニック、ポイントなどが紹介されています。こちらは意識すれば今日からすぐに出来るようなものばかりなのでとても勉強になりました。
とりあえず
・本は立って読もう
・筆写でインプットとアウトプットを磨こう
・積極的に積読をしよう
あたりはほうほうと納得感動した限りです。だからといって本を立って読んでいると足が痛くなってくるし、毎日千字の文章を書き取りしようなどと意気込んだところで続かないのは解り切っていることなので、出来そうなことから一つ一つ取り入れていければいいかな、とそんな感じで。あ、でも積読はもうしてるかな。