クローバーフィールド/HAKAISHA

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
監督:マット・リーヴス
出演:マイケル・スタール=デヴィッド
公開:2008
★★★☆☆

ある夜、日本への栄転が決まったロブを祝うため、サプライズ・パーティが開かれていた。その最中、突如として不気味な爆音が鳴り響く。外の様子を見に屋上へ向かった彼らは、そこで炎に包まれたニューヨーク市街を目撃する。

ひさしぶりに映画を観ました。といっても自宅鑑賞ですが。公開当時は結構騒がれていたクローバーフィールド、内容自体は有体に言ってしまえばよくあるB級モンスターパニック作品でしかありません。面白いのは視聴者が作中のビデオカメラで撮った映像を見せられるところです。作品全体がビデオカメラからの視点ですので、カメラマン役のハッドが走れば画面も縦横無尽に揺れる揺れる。安定しない一人称視点に、慣れない人は吐き気を催してしまうかもしれませんね。FPSで鍛えているせいか私はむしろ落ち着くくらいでしたが^^;
このような演出のおかげで、私たち視聴者もまるで登場人物と同じ状況にいるかのように感じることがが出来ます。ビデオカメラを通じて見えてくる世界が全てです。離れた場所の状況や登場人物の内面に迫るような、いわゆる神の視点は存在しません。全体を俯瞰することが出来ず、映画特有のシーンを盛り上げる演出もまるでないのですが、それが逆に臨場感や緊迫感を高めてくれます。もし突然未知の生命体が襲来してきて、偶然ビデオカメラを持っていた人がそれを撮影して、youtubeにでもアップロードしたらこんな感じなんだろうなぁ・・・と意味のない妄想をしてしまうくらいのリアリティ。ハンディカムを使うあたりマンネリ気味の他の映画と比べてすごく今風の新しい感覚で新鮮でした。
内容はほとんど解説されることなく終わってしまいます。あまりにも謎が多すぎて、ネットで調べると色々な考察がされてますね。でもまぁ詳細を詮索してもしょうがない気もします。アメリカ版GOZILLAを彷彿とさせるような怪物の登場に軍隊の総攻撃という流れもありがちですし、HAKAISHAの正体が分かったとしてもこれまでの類似の作品の域を出るようなものではないでしょう。この一風変わった演出を楽しめばそれで良いかと。体感して楽しむアトラクションに近い映画だと思いました。

BD版のランボー最新作も観たいけどしばらくは溜まってる映画を消化していかないと・・・