MATRIX三部作


マトリックス/マトリックス・リローデッド/マトリックス・レヴォリューションズ
監督:ウォシャウスキー兄弟
出演:キアヌ・リーブス
   ローレンス・フィッシュバーン
   キャリー=アン・モス
   ヒューゴ・ウィーヴィング
   ジョー・パントリアーノ
   グロリア・フォスター
公開:1999/2003/2003
★★★★☆

近未来。コンピュータ・プログラマーのトーマス(キアヌ・リーヴス)は裏稼業ではネオと呼ばれる名うてのハッカーだったが、ある日、突然トリニティ(キャリー=アン・モス)と名乗る美女の接触を受け、彼女に導かれ...

一作目だけは中学生の時に観た記憶があるのですが、三部作全てはまだ見てなかったのでこの際全部一気に観てしまえと一人映画祭決行。観はじめたのが遅いこともあって、日付が変わってもなかなか進まず結局徹夜してしまったというのはどうでもいい話^^;既に全部観たという友人の話だと、リローデッドが駄作とのことだったのですが・・・一気に観たのでよく分かりませんでした。基本的には三作がほぼ直結してるので、まとめてみると二作目はどうたらといった感覚がなく、「マトリックス」という6時間強の作品を観た感じといえばよいのでしょうか・・・。
それにしても面白いですね。この映画の売りの一つであるアクションシーンも、ワイヤー使いまくりーのCG使いまくりーので、マトリックスという仮想空間で物理法則から解放されたネオ達の戦いが繰り広げられています。特に一作目なんかは今からほぼ十年も前の作品なのに、昨今の映画と比べても遜色のないスタイリッシュなアクションシーンが撮れてますね。当時の他の映画と比べても技術的にはかなり凄いことをやっていてまさに革命的な映画と言えるでしょう。などとべた褒めしてみる。
ついついアクションシーンにばかり目を奪われがちですが、内容なかなかに深い。終盤では人類解放あるいは機械との共存が主軸となってますが、私はむしろマトリックスという仮想空間と興廃した現実とをより描いた無印の方が色々と考えさせられました。大学の講義でも少しばかりマトリックスを取り扱ったのですが、先生曰く「現実とは何か?」と。五感で感じ取るリアルなんてものはしょせん電気信号によって伝えられるそれに過ぎず、であるならばマトリックス内のリアルとその外のリアルとをどうやって区別するのか?一応マトリックスの外に出さえすれば、与えられる情報からほぼ間違いなくマトリックスの世界が仮想現実だと認識できます。しかしこの方法だと常に今いる自分の世界が現実か否かに確信が持てませんよね。先生に言われて改めて考えてみると、私たちが生きている世界が現実たる保障がとても頼りなく思えてきました。結局のところ、少なくとも生きていく上では、自分がリアルだと思う今その場所こそがその人にとってのリアルだと、そう考えておくことが一番幸せなのかもしれませんね。無印でサイファーが(結局成しえませんが)自分の生きる場所(リアル)をマトリックスに求めるシーンがありましたが、正直完全に否定できない自分もいました。
ぐだぐだと長くなりそうなのでここらへんでやめときますが、ここらへんの思想は攻殻から来てるんでしょうかね?ウォシャウスキー兄弟もだいぶ影響を受けたとのことですが。人が自分を個人として証明するのは唯一記憶によってであるのに、その記憶すら改竄可能な時代には自己を証明するもの、それを保障するものがなくなってしまった。そんな世界で生きる少佐の苦悩は現実とは何か?という考えに繋がるものがある気がします。
まぁそんな小難しいことは抜きにしても楽しめる作品でしたよ。ただ最後は解決したようで解決してない、そんな感じだったので、後日談が作れそうだなぁという期待を込めて★一つ飛んでっけー!